淡水二枚貝種類【カワシンジュガイ類・イシガイ類】の紹介です。生息地から特徴迄解説しています。

※ 当サイトではアフィリエイト広告を利用しています

淡水二枚貝

日本国内にはカワシンジュガイ科が2種、イシガイ科が15種程分布、生息しています。

カワシンジュガイ、トンガリササノハガイ(現在、ササノハガイはトンガリササノハガイと同種とされている。)、イシガイ、オトコタテボシガイ

ニセマツカサガイ、ヨコハマシジラガイ、マツカサガイ、オバエボシガイ、カタハガイ

イケチョウガイ、カラスガイ、ドブガイ(A型、B型有)フネドブガイ、マルドブガイなどです。

ここでは淡水二枚貝の絵と種類の説明をしていきます。皆よく似たように見えますが観察をすると違いが分かり区別ができるようになります。情報不足のところもあります。随時更新していきます。

マルドブガイ Anodonta calipygos イシガイ目イシガイ科

殻長12cm前後、殻高、殻幅ともに丸みが強い。殻は薄く壊れやすい。雌雄異体。グロキディウム幼生を産卵、魚の鰓や体表などで一定期間過ごしてから剥がれ落ち水底で生活を始める。琵琶湖特産種。食用になる。佃煮、煮物、フライにして食べる。美味しいようです。鳥取県や香川県にも移入され繁殖が確認されている。

フネドブガイ Anemina arcaeformis イシガイ目イシガイ科

殻長10cm前後、殻頂が中央寄りにあり、両側の殻は膨らみながらなだらかに下がっている。他のドブガイ類とは幼生の大きさや形態、遺伝子型が違うようです。福井県や山口県に生息しているが、数が少なく絶滅が心配されている種類。溜池や用水路の砂泥や泥地に生息する。グロキディウム幼生を産卵し、魚類の鰓や体表に寄生する。一定期間を経てから剥がれ落ちて水底で生活をする。

ドブガイ Anodonta woodiana イシガイ目イシガイ科

ドブガイA型
ドブガイB型
2022年秋購入したドブガイ

殻長20cm程、殻は薄く壊れやすい。(A型、B型があり)外観が細長いものから円いものがあり、研究によりそれぞれ種類があることが判明した。外見のみでは判別しにくい。東アジア一帯、ヨーロッパにも帰化している。日本全国に広く分布しており、最も普通にみられる淡水二枚貝。カワシンジュガイの販売が禁止になってからはドブガイ、とイシガイが良く販売されているようです。グロキディウム幼生を産み魚類に一定期間寄生してから剥がれ落ち、水底で生活をする。霞ケ浦などでは食用にされている。

カラスガイ Cristaria plicata イシガイ目イシガイ科

大型の淡水二枚貝。殻長は20cmを超える。若い貝は後背縁に翼状の突起がある。北東アジア原産、東南アジア一部まで分布している。琵琶湖にはメンカラスガイと呼ばれる種類が分布している。主に本州の湖沼、大河川に生息している。販売もされているが生息数は多くはないとの事です。中国では、淡水真珠の母貝として利用されている。漢方の原料にもなる。グロキディウム幼生を産卵し、魚類に一定期間寄生をしてから剥がれ落ちて水底生活に移ります。

イケチョウガイ Hyriopsis schlegeli イシガイ目イシガイ科

イケチョウガイ 成貝
イケチョウガイ 幼貝

殻長20cm程、大型の二枚貝、殻幅のふくらみはそこまで厚くはならない。幼貝にはカラスガイに似た翼状突起がある。琵琶湖水系、淀川水系に分布するが、数を減らしているようです。養殖淡水真珠の母貝となる。茨城県の霞ケ浦に移入されたことがあり現在でも繁殖が確認されています。グロキディウム幼生を産卵、魚類に一定期間寄生、剥がれ落ちて水底で生活をする。琵琶湖周辺では食用にされている。

カタハガイ Obovalis omiensis イシガイ目イシガイ科

殻長6cm~9cm程、長卵型で平たく後背部が張り出し、波上の模様がある。長い年月を生きた貝は波上模様が薄くなるようです。寿命10年程。三河湾以西の本州から四国、九州北部の用水路や小川などに生息しています。グロキディウム幼生を産卵。放出された幼生は魚類に一定期間寄生してから剥がれ落ちて水底で生活をする。生息数は多くなく絶滅を危惧されている。

日本固有種

オバエボシガイ Inversidens brandti イシガイ目イシガイ科

殻長3cm~5cm程、後背部は少し張り出していて、形も横に長くなく独特な形をしています。殻頂周辺には波上の模様がある。伊勢湾流入河川より西の本州と九州の水路に生息しています。水量が豊富で流れの緩やかな川や用水路などに生息している。グロキディウム幼生を産卵。放出された幼生は魚類に一定期間寄生してから剥がれ落ちて水底で生活をする。生息地の減少のため生息数は多くない。

日本固有種

マツカサガイ Inversidensjapanensis イシガイ目イシガイ科

殻長5cm前後、形は卵型。殻の幅はニセマツカサガイよりも狭い傾向になる。マツカサのような凹凸模様がある。殻の表面にはV字型の波状模様があります。東北から九州にかけての水路や池沼に広く分布している。こちらの貝もタナゴの産卵によく使われて販売されています。2022現在の販売価格は200円から300円位だと思います。

生息地は緩やかな流れのある河川の下流域や用水路などに生息している。グロキディウム幼生を産卵。放出された幼生は魚類に一定期間寄生してから剥がれ落ちて水底で生活をするようななる。

日本固有種

ヨコハマシジラガイ Inversiunioyokohamensis イシガイ目イシガイ科

マツカサガイに似ています。殻長は7cm程イシガイ科貝類。マツカサガイがV型の波上模様に対してヨコハマシジラガイは貝の表面の傾斜に沿ってまっすぐに下っていく波上模様になります。水質の良い河川の下流域や平野部の用水路など流れの緩やかな水量が多い場所に生息している。生息地は山陰、近畿東部から北海道南部、絶滅が心配される貝の種類の一つです。グロキディウム幼生を産卵。放出された幼生は魚類に一定期間寄生後、剥がれ落ちて水底で生活をする。

日本固有種

ニセマツカサガイ Inversiunio yanagawensis イシガイ目イシガイ科

殻長6cm前後、卵円型。殻の表面にはイボ状あるいは短い棒状の模様がある。近畿西部の瀬戸内海流入河川から九州、四国に分布し、生息場所によってはマツカサガイの生息場所に被って混生している。小川や用水路に生息している。グロキディウム幼生を産卵。放出された幼生は一定期間寄生後剥がれ落ちて水底生活に移る。生息個体が少なく絶滅が心配されている。

日本固有種

オトコタテボシガイ Inversiunio reinianusu イシガイ目イシガイ科 絶滅危惧Ⅱ類

殻長5cm前後、殻頂は後方に張り出し後縁は伸長したクサビ形となる。殻が厚く丈夫。琵琶湖、淀川水系固有種。琵琶湖、河川に生息している。円みのある型はセタイシガイと呼ばれているとの事。妊卵期は10月から7月。グロキディウム幼生を産卵し、放出された幼生は一定期間寄生後剥がれ落ちて水底生活に移る。

日本固有種

イシガイ Unio douglasiae イシガイ目イシガイ科

殻長は6cm前後、長卵型。横に細長いやや尖っている。殻頂付近にイボ状、波状模様がある。長く生きた個体や湖沼産のイシガイは表面が滑らかなことが多いようです。全国的に分布しており琵琶湖にはタテボシガイという型が生息している。湖沼及び緩やかな流れの河川の下流域や用水路などに生息している。繁殖期は4月から8月。グロキディウム幼生を産卵する。放出された幼生は一定期間寄生後剥がれ落ちて水底生活に移ります。天然記念物のイタセンパラが好んで産卵をする二枚貝。絶滅が心配されている。

トンガリササノハガイ Lanceolaria grayana イシガイ目イシガイ科

トンガリササノハガイ
ササノハガイ

殻長15cm前後になる。細長く笹の葉型の貝。三河湾、若狭湾流入河川以西の本州、九州北部の河川や水路に生息している。琵琶湖水系にはやや太短いササノハガイが生息している。関東にも放流されている地域があり、用水路をすくっていると網に入るときがある。全国的に放流されいるかは不明。河川の下流の緩やかな流れの場所や、用水路などに生息している。グロキディウム幼生を産卵し放出された幼生は一定期間寄生後剥がれ落ちて水底生活に移る。以前はササノハガイとトンガリササノハガイを別種で分けていたが現在は同種と考えている。絶滅が心配されている。

日本固有種

カワシンジュガイ Margaritiferalaevis イシガイ目カワシンジュガイ科 絶滅危惧種Ⅱ類

コガタカワシンジュガイ 生息地 北海道、青森県、岩手県、長野県

殻長13cm程となる。黒褐色で細長く殻質は固い。寿命は数十年といわれています。成長が遅い。8年で性成熟する。最高水温が20度を超えない水質の良い川の上流に生息している。大型になったシンジュガイは への字に曲がったような姿になる。現在絶滅の危機にさらされています。北海道、東北に大く分布している。それより南の分布域でも絶滅の危機にさらされている。川の上流から下流にかけて分布、生息しグリキディウム幼生は主にサクラマス類(一部ではイワナ類)の鰓に50日から60日程度寄生してから底生生活に移行する。(他の淡水二枚貝も魚類に寄生してから底生生活に移ります。)

コガタカワシンジュガイとの見分け方は外観では見分けがつきにくいです。生息地は被るところもあります。カワシンジュガイの方が大型になる。他、カワシンジュガイは殻を開け左殻内部の前閉殻筋痕の形状が丸い耳型をしていることで見分けることが出来る。とありますので開いて観察をしないと完全には見分けがつかないようです。殻の写真を参考に見てみてください。

販売を目的にする採集が禁止になる前はタナゴの産卵母貝に圧倒的に使われてきた貝です。私が最後に購入したのは7年前です。価格は一つ500円から600円だったと記憶しています。メリットはどの種類のタナゴでも産卵してくれる事や、他の貝類と違い高温でも耐えることが出来る。基本的に口を開けたままなのでタナゴが産卵しやすいことが理由でした。リスクとしては口をずっと開いているため卵を産み付けられすぎて窒息死してしまうこともあったと聞いています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました